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痛みの発生源を理解して自己管理の仕方を身に付けることは、症状の緩和、早期の改善、再発の予防には欠かせないことです。

Low Back Pain

​腰痛

腰痛/坐骨神経痛

腰痛のほとんどは、脊柱の力学的異常により引き起こされます
 

 片方の手でもう片方の手指を軽く反らせてみてください。始めのうちは何ともありませんが、段々と指が痛くなってくるはずです。脊柱の力学的異常というのもこれと同じような状態と思ってください(背骨を構成する椎骨は24個もあるので、それが少し複雑になるだけです)。

 

では、どうすれば痛く無くなるでしょうか。

 この状態で痛み止めを飲んでもあまり効きそうにありませんよね。指を反らせている手を離してしまった方が話しは早そうです。

 

 姿勢の乱れは腰部骨盤周りの筋肉や靭帯、そして椎間板や椎間関節にも無理な負担をかけるようになります。これらの組織を傷めると、傷めた箇所より遠く離れた下肢にも痛みを起こすことがあります。これを「関連痛」というのですが、椎間板ヘルニアで起こる坐骨神経痛と痛みの走行が似ていますが、同じではありません。

​【下絵】

①椎間板ヘルニアで起こる坐骨神経痛

②殿部の筋肉からの関連痛

③仙腸関節からの関連痛

MEMO:

 腰痛の居場所をつくらなでください。普段の姿勢、体のつかい方、休息の仕方に気を配り、おろそかにしないでください。腰痛はきっと居場所を失います。やって来てもすぐに居なくなります。

 脊柱の力学的異常の背景には筋骨格の機能障害があります。ここでいう機能障害とは、関節の動きのぎこちなさや、筋肉が十分に伸び縮みする機能が低下していることを指します。

・関節の可動域は正常であるか?

・筋肉の柔軟性は十分なのか?

ということはMRIやレントゲンなどの画像検査では分かりづらいことです。
よく話を聴いて、観て、触って、動かしてみて初めて分かるものなのです。 たとえ画像検査で椎間板ヘルニアや変形した関節が確認されても、痛みは椎間板ヘルニアによる神経痛ではなく、機能障害のある組織が痛みの発生源ということもあるのです(もちろん、その重複も考えることができます)。

 医療機関で変形性関節症と言われても、可能な範囲で関節の可動域を回復させることは、痛みの緩和につながります。関節の動きが悪くなると発痛物質が滞り神経を刺激するからです。
 椎間板ヘルニアなら、そこに過剰な負担がかからないように背骨全体のバランスを整えていくことが大切です。ヘルニアは同じ所にばかり負担がかかるから起こるのです。 
  痛みの部位を鑑別して、そこに負担がかからないように姿勢を改善していけば、腰痛はきっとよくなって行くはずです。

 「腰痛」というものは、たいへん耐えがたく辛いものですが、痛みを抑え込むこと、すなわち「鎮痛」ばかりに目を奪われてはいけません。


 腰痛は痛み止めを飲んだり、あるいは何も治療を受けなくとも自然に消失していくことがあります。ですが、これは”治った”のではなく、無意識のうちに傷めた腰の部分に負担がかからないよう全身の神経筋骨格の機能を低下させた結果であるかもしれないのです。

言うなれば、後ろ向きの好ましくない身体の適応です。

 これら神経筋骨格の機能が低下すると、腰痛を再発しやすいばかりでなく、傷める度に状態がひどくなる可能性があります。繰り返すたびに身体の機能は低下することになりますから、まさに悪循環です。

 痛みがひどいときは「鎮痛」に注力することも必要ですが、腰痛は、悪循環させないためにも、できるだけ早い段階で機能の回復、すなわち、正常な神経の伝達、関節の滑らかさ、筋肉の柔軟性、そして正しい脊柱力学的状態(良い姿勢)を取り戻すことと、自己管理に必要な正しい知識を身につけることが大切です。

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