逆流性食道炎
逆流性食道炎は、背中が丸まることで胃が圧迫されることも要因の一つです
症例:みぞおち辺りのつるような不快感
【臨床的特長】
60代女性が仰向けから起き上がるときの胸背部痛とみぞおち辺りの緊張感を訴えている。クライアントは、10年前より逆流性食道炎を患っており、それによる嘔吐のために夜に何度も目が覚めてしまう。これまでにも医療機関で処方された薬を服用しているが、あまり改善がみられない。特に、ここ1週間は毎晩嘔吐があり、喉がヒリヒリと痛い。みぞおちや胸背部の症状は胃からきているかもしれないと訝っている。
【介入と結果】
胸椎の弯曲は中部では亢進していたが、上部の方では減少し前方に傾いているように見えた。1回目の施術で胸背部の痛みとみぞおちの症状は軽減した。施術後3日間は嘔吐することはなく、4日目の夜間には再び嘔吐するようなことがあったが、改善傾向にあることをクライアントは感じている。施術を受け始めて1ヶ月現在、背中の痛みは軽くなり、嘔吐する回数は1回だけであった。その後は1ヶ月に1度のメンテナンス施術を続けており、次第に嘔吐のない月も増え、良好な状態を保っている。
【考察】
背中が丸まるとお腹が圧迫されるため、胃の内圧も高くなり、胃酸が逆流しやすくなることが知られています。
お腹が圧迫されないように、丸まった脊柱を修正することは、逆流性食道炎の症状の軽減につながります。また、胸椎は自律神経のはたらきに大きく影響している部位でもありますから、 硬くこわばった胸椎への施術は自律神経のはたらきにも良い影響があります。
カイロプラクティックのケアは生体力学的、そして神経学的に、逆流性食道炎の症状軽減の助けになるはずです。
豆知識:
横になるときは右ではなく、左を下にした方が胃液の逆流は少なくなるそうです。試してみるのもよいかもしれません。