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神経根が圧迫されて起こる根性痛は頚椎の力学的異常で引き起こされます。

Cervical Radiculopathy

頚椎根性痛

症例1:肩の痛み、手指のしびれ

【臨床的特徴】

 30代男性が肩甲骨から上腕にかけての痛み、および母指と示指のピリピリとした痺れを訴えている。3週間前に寝違えをしたことがきっかけだった。今までに寝違えは度々起こすことはあったが、このような痛みは初めてである。症状は日毎にひどくなっている。痛みは仕事などで重い物を持つときに増悪する。整形外科では頚椎の変形症ではないかと言われた。現在は鎮痛剤で対症している。

 

【介入と結果】

 頚椎の屈曲や回旋運動で上腕への放散痛と手指の痺れが誘発された。上部胸椎には顕著な可動制限が確認されたが、頚椎には不安定さを感じた。
 施術は上部胸椎と腰椎骨盤に対して行われた。施術後、肩甲骨~上腕への痛みは軽減した。手指の痺れは消失した。4回までの施術で、クライアントは9割方まで改善したことを実感している。5回目の施術の後は、仕事中も痛みが起こることがなくなった。

 

【考察】

 上腕への放散痛や手指の痺れは、頚椎での神経圧迫により起こることがありますが、頚椎の不安定さが感じられるときは、頚椎のいわゆる土台の部分に当たる胸椎の機能障害を改善することが良い結果につながることがあります。脊椎分節の可動制限は、代償的に隣接する脊椎分節の可動性亢進を引き起こすからです。可動性亢進を起こした不安定な脊椎分節は退行変性(いわゆる変形症)を招くようになります。痛みが無くなった後の脊柱安定性のためのリハビリテーション的ケアも必要です。

関連ページ≫肩こり、肩甲骨の痛み

NOTE:

 手指の痺れの原因には、頚椎症だけでなく鎖骨や胸筋で神経が圧迫される「胸郭出口症候群」や手首で神経が圧迫されて起こる「手根管症候群」などがあります。また、それらに加えて栄養、代謝的な問題でも起こり得ります。力学的異常だけでなく、生活習慣にも気を配ることが必要です。

クライアントの声:

​30代女性

「とても丁寧にみてくれました。想像していたのと違いソフトなものでした。肩が軽くなりました。」

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