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膝に症状がある場合でも、腰椎骨盤は同時にケアします

Pes Anserine Bursitis

​鵞足滑液包炎

症例:膝内側の局所的な腫脹、触れることで強い痛み

【臨床的特長】

 40代女性。左膝蓋骨の少し下~膝関節内側にかけての痛みを訴えている。左膝は5年前より何となく調子が良くないとは感じていた。痛みはそれほど気になるものではなかったのだが、2年から​強く痛みはじめた。クライアントは日中、パートタイムの仕事をしている。立ち仕事であり、勤務中は背伸びをするような膝をピンと伸ばした姿勢を続けることが多い。膝の痛みは仕事の終わる夕方になるにつれて強くなり、終わる頃には足を引きずらなければ歩けないほどになる。膝が腫れているような気もするのだが、整形外科へは関節液を抜かれてしまうのではないかという恐怖のため受診していない。接骨院で電気を当ててもらっている。

【介入と結果】

 殿部と大腿の筋肉が硬く筋緊張が顕著である。左膝の内側に、局所的に腫脹が認められる。軽い押圧で鋭い痛みが生じる。膝や足関節の自動運動で痛みが増悪する。膝の靭帯や半月(板)の整形外科的検査は陰性であった。鵞足滑液包炎が疑われた。  

 施術は骨盤帯を中心に行われた。下肢の筋肉には、ストレッチや筋膜に対するアプローチを行った。施術後、クライアントは膝が軽くなったと言っている。痛みは顕著に軽減した。数日後のパートタイムでは、いつもなら膝がつらくなる時間帯になっても膝の痛みはほとんど起こらず、仕事が終わってからも足を引きずることは無かった。

【考察】

 この症例では、鵞足滑液包炎が疑われます。鵞足とは「半腱様筋」「薄筋」「縫工筋」、これら骨盤から起こっている三つの筋肉の腱部分が膝関節内側の少し下の脛骨で合流した部分のことを言います(ガチョウの足のように見えるそうです)。

 人体には、骨とそこに付着する腱が擦り合わさるような部分には、その間に滑液包という潤滑液の入った袋のようなものが存在しています。滑液包は骨と腱の摩擦を少なくする役割があります。

 筋肉の使い過ぎなどで、この部分に炎症が起こることがあります。クライアントは仕事中、膝をピンと伸ばした姿勢を長い時間続けることが多かったことからも、鵞足滑液包に炎症が起きるということは十分考えられます。また、関節内が腫脹した(水が溜まった)場合は、局所的ではなく関節全体的に腫脹が見られるはずです。加えて、膝の半月(板)の損傷では軽い押圧で鋭い痛みが走るということはあまり考えられません。

 この症例では、関節ではなく、滑液包炎によるところが大きく表れましたが、膝への反復したストレスは関節の問題も起こし得るため、膝や足首、股関節の筋肉のストレッチなどで自己管理することも大切です。

NOTE:

 鵞足(がそく)を構成する半腱様筋は坐骨、薄筋は恥骨、縫工筋は腸骨から起こっています。いずれも、股関節と膝関節の二つの関節をまたぐ大きな筋肉です。仙腸関節の動きがスムーズであることは、これら骨盤に付着する筋肉が良好に機能することを助けています。

スノーガチョウの移行

クライアントの声:

50代女性 

「長年の猫背や股関節の硬さがなくなりました。今では胡坐もかけるようになり、体も楽になりました。」 

50代女性 

「施術の後は体のバランスが良くなったことが実感でき、日課にしているウォーキングも楽しくなります。体が軽いので家事などの日々の活動が楽にこなせます。」 

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