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膝に症状がある場合でも、腰椎骨盤は同時にケアします

KNEE DISFUNCTION

​膝の痛み・膝の障害

X脚を背景にした膝の痛み

【臨床的特徴】

 60代女性。左膝前内側の強い痛みが2カ月前から始まった。慢性的に膝の痛みは抱えていたが、庭仕事でしゃがむ姿勢を15分くらい続けたことが発症につながった。痛みのため膝を曲げること、歩くことが困難である。就寝中も疼くような痛みが続く。整形外科でレントゲンを撮ったが膝関節の裂隙(隙間)はとくに狭くはなっていないと言われた。膝に注射を受けたが痛みは治まらない。

 

【介入と結果】

 姿勢検査では骨盤の前傾と腰椎前弯の亢進が見られる。女性特有の幅の広い骨盤をしている。下肢のアライメント(いわゆる並、整列)は外反気味である。膝関節に腫脹や不安定さは認められない。膝関節、股関節筋群の柔軟性の欠如が顕著であった。

 施術は膝関節と骨盤帯に対して行われた。施術後、膝の痛みは和らぎ、膝が軽くなったと言っている。数日間は膝の調子は良好であった。その後、一時的に痛みがぶり返すこともあったが、それ以降はほとんど痛みなく(疲労すれば多少気になることはあり、正座は怖くてまだできないが)日常生活での活動を行うことができる。

【考察】

 この症例では、下肢のアライメント不良により膝関節周囲の軟部組織に過度のストレスが加わったことが考えられます。膝関節は脛骨と大腿骨二つの長いテコの支点に位置しているため、常に大きなストレスが加わる部分でもあります。腰椎の変位や骨盤の歪み、股関節、足関節の変位で始まる姿勢の乱れは、下肢のアライメントを悪くして容易に膝関節へのストレスを増大させることができます。

 

 クライアントは整形外科で膝の半月板や軟骨が減っている、と言った異常は指摘されなかったようですが、膝関節にかかる異常なストレスが軽減されずにいるならば、今後“異常”が見つかるようになることも考えられます。

 

 半月板の断裂や骨が変形することを「器質的な障害」と言います。姿勢が乱れたり、筋肉の柔軟性が低下したり、関節の可動域が減少したりするのを「機能的な障害」と言います。器質的な障害は機能的な障害から始まります。

 痛み止めやサプリメントなどは役に立つかもしれませんが、膝関節の問題は膝関節だけでなく姿勢全体の問題として捉えることも必要です。その方が自己管理もしやすいです。骨盤を前傾させている筋肉のストレッチや立ち方座り方を見直すなどのことから始めるのが善いでしょう。

NOTE:

【見た目だけのO脚、X脚に注意】 

 つうじょう、O脚の場合は偏平足にはなりませんが、つま先を外に向けて踵の内側で立つことで偏平足に見えることがあるかもしれません。X脚では踵の外側で立つことによって偏平足が隠されることがあります。これは、歩くときに骨盤が揺れるのを防ぐ代償的な運動連鎖と考えられています。これらは、前述した本来の運動連鎖とは異なりますが、いずれも下肢の関節に負担のかかる好ましくない姿勢です。見た目だけに惑わされず、本来の運動連鎖を考慮して施術することが大切です。

サヤインゲン

クライアントの声:

50代女性 

「長年の猫背や股関節の硬さがなくなりました。今では胡坐もかけるようになり、体も楽になりました。」 

50代女性 

「施術の後は体のバランスが良くなったことが実感でき、日課にしているウォーキングも楽しくなります。体が軽いので家事などの日々の活動が楽になりました。」 

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