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禅マインド ビギナーズ・マインド

  • 執筆者の写真: ベルワンカイロ
    ベルワンカイロ
  • 6月5日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月6日

著者 鈴木俊隆 訳者 松永太郎 株式会社サンガ2012/7


欧米に禅を紹介した日本人として、「二人の鈴木」が知られています。ひとりは鈴木大拙、もうひとりは、本書『禅マインド ビギナーズ・マインド』の著者、鈴木俊隆です。鈴木大拙が西洋の知識人たちに「禅とは何か」を神秘的(?)かつ哲学的に紹介したのに対して、鈴木俊隆は禅を日常生活の中で実践する“姿勢”として、現地の人々に教えていたようです。


ビギナーズ・マインドとは、日本語でいう「初心」のことです。初心の心とは、物事をありのままに見ることができる心であり、すべての現象の本来の姿を悟ることができる心ともいえます。修行の目的は、この初心の心をいつまでも失わずに保つことにあるようです。

本文より
自分の行動に思考の痕跡をとどめてしまうと、その痕跡に対して執着が生まれます。たとえば「これは私がやったことだ!」などというかもしれません。(中略)しかし、実際は、それは決してそのとおりに起こったことではありません。そのようにして思い出すときには、あなたは実際に行った経験に限界をつけています。自分の行ったことという思考に執着するときには、そこに自己中心的な思考が働いています。

初めてこの本を手に取ったとき、まるで空から重い石が頭の上に落ちてきたかのような衝撃を受けたのを、覚えています。坐禅について書かれた本ですが、宗教臭さはなく、座禅に興味のない人でも気軽に手に取れるおすすめの一冊です。


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